敦賀さんのお部屋に行くことが、ほとんど習慣みたいになってきた。
特別、ではなくて当たり前に近い感じかな。
もちろん、マンネリになったわけじゃないの。
一緒にいたくて、一緒にいるとドキドキしながら安心して、
敦賀さんのことが大好き、って何度も思って。
1人でいても敦賀さんのことを思えば幸せ。
だけど2人でいたらもっと、幸せ。
だから予定はなかったけど少しでも逢いたくて、敦賀さんのマンションの前にいる。
電話はしなかった。
いつもは、約束してなければ電話で行ってもいいかと聞く。
今日はなんとなくびっくりさせたくて。
それと、敦賀さんに逢いに行くのが特別なことじゃないって思いたいから、かな。
こっそりとドアを開けてひたひたと廊下を忍び足で歩く。
いるかどうかだけが心配だったけど良かった。
リビングで台本を読んでるみたい。真剣な表情が素敵。
カッコいいな…やっぱり。
「つーるがさんっ」
「わあぁっ」
背後から近寄ってそう言うと、敦賀さんがすごくびっくりした様子で声をあげた。
かわいい、かも。
でも、びっくりさせすぎちゃったな。
「ごめんなさいっ、そんなに驚くなんて思わなくて」
いいんだ、と微笑む敦賀さんに抱きしめられてキスをした後、
台本を閉じようとしたから、読んでてください、と告げる。
そういう素顔の敦賀さんが見たい、っていうのもある。
私も見ておきたい台本があるし、何より、こうやって2人それぞれ違うことをしながら
過ごす時間を共有することで、一緒にいることが自然なことに近づいたらいいな、なんて思ってる。
いつか、毎日2人でいることが当たり前になる日がきても、
互いを包む空気の中で、今日みたいに一緒に台本を読んでいられたらなって。
2009/05/08 OUT