デート -KYOKO

From -PatiPati's Thanks TEXTS

現場に入った私は、まっさきに敦賀さんの控室へ出向いた。
今日は、近くに寄ったからちょっと顔を出す、とかそういうのではなくて、一緒にお仕事。

私が持っている雑誌の連載に、ゲストとして来てもらうことになって、
それでご挨拶に来たのだけど、ちょうど社さんがいなくて
2人きりの時のようにぎゅうぎゅうと抱きしめられてしまった。
ドアを開けたら敦賀さんが満面の笑顔だから油断しちゃった。
かわいいんだもの。

「仕事が一緒なのは、久しぶり…だよね」
「そ…うですね、って、社さん帰ってきたらどうするんですかっ」

私の抗議する声を聞いて、敦賀さんがくすくすと笑いながら手を離した。
もう…。

「当日のお楽しみ、って言ってたけど?」
「上司と部下、です」

そう。今回のコンセプトは、敦賀さんが上司で私が部下。
一応は対談がメインなんだけど、スチール撮影もあって、
実はそれが毎回コスプレ風味なの。
1人の時と、相手を呼んで対談するのと交互にやってて、わりと評判もいい。
それでたまたま今回は敦賀さんにってことになったんだけど。

「外のロケじゃないんだよね、残念」

今までには外でロケをしたこともあるから、もしかしたら、って思ってた。
そうだったら恋人同士っていうのもありかなあなんて予想してたから、私も少し残念。
でもこうして一緒にお仕事できるのは、やっぱり嬉しいな。
俳優・敦賀蓮と同じ空間にいられるのが、同じものを作っていくのが、嬉しい。

あとは、私の顔がプライベートと同じようにゆるんでしまわないことだけ。
繋いでいた手をぎゅっと握ってみた。


2009/04/10 OUT
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