俺の体重を受けて少しだけ音を立てるのが、リアルで良い。
1人で眠るときにはそう大して気にしないのに、
2人だと途端に耳に入るのはどうしてだろうか。
「何かいいこと、ありました?」
にじり寄る俺に、ヘッドボードにもたれて本を読んでいた彼女が尋ねた。
「ん、まあね」
普段1人で眠るベッドに、今日は君がいてくれるから、かな。
1日を終えるとき、愛する人と共にいられるのは、とても神聖なことなんじゃないかと思う。
新しくやってくる日の為に、そして過ぎようとしている日の為に、
その狭間で静かに自分と向き合う時、
そんな極めてプライベートな時間を、共有してもいいと思えるくらいの大切な人の存在。
自分を取り巻くすべてに感謝して、明日への希望を新たにする。
「愛してるよ」
本を閉じて俺の方を向いた彼女を抱き寄せて、触れるだけのキスを交わした後
そう言葉にしてみた。
いろんな想い、彼女へ向かう何もかもを、そのひとことに込める。
多分、彼女は顔を赤くしてるんだろう。
俺だって、そういうのにまったく照れがないわけじゃあ、ないんだ。
だけど君への想いを言葉にするならこれしかないとわかっているから。
ああ、君に言わせれば慣れている、らしいんだけど、
それはきっと今まで君にたくさん言ってきたからなんだってことを、わかってくれていたら嬉しい。
これから先も、何回でも言わせてもらうから、そのつもりで…よろしく。
2009/04/01 OUT