少しだけ開けておいた窓から風が吹き込んでカーテンを揺らしてる。
電気のついていない部屋を、差し込む光が照らし出して、
夜とは違った表情を見せてくれる。
敦賀さんのおうちの、ベッドルーム。
ここで朝を迎えるのも、もう何度目なのかな。
やっと、この頃慣れてきたかな、って。
夜の、嵐みたいに激しく甘く過ぎていく時間も、
目覚めて隣に敦賀さんがいてくれる嬉しさと、ちょっとの恥ずかしさも。
今…何時だろう?
サイドテーブルにある携帯電話に手を伸ばした。
もうすぐ11時。
ああ…今日は早めに起きて、お掃除でもしようと思ってたのにな…。
「そんなのいいから、ここにいて?」
いつものようにそう言いくるめられて、それで。
例によって、昨夜の記憶が途中で途切れてる。
隣には、まだ眠っている敦賀さん。
もう…。
「……コ…」
もぞもぞと動きながら、何かを呟いて、また夢の中へ。
そんな様子に思わず微笑みながらもう一度窓に目をやると、外はすごくいいお天気。
早く起きられなかったけど、でも、まだお昼前。
一緒に過ごせる時間はまだまだたくさん、だね。
ねえ、敦賀さん、遅い朝ご飯、ここで食べよっか…。
支度をしてこようとベッドから抜け出そうとしたところで、
敦賀さんと手を絡めているのにやっと気付く私。
あ、昨夜からずっと…だっけ。
もう、敦賀さんたら…。
これじゃ、何もできないじゃない。
でも…いいか…。
ご飯食べなくても、もうちょっとこうしてくっついていよう。
ふたりでいられる時間、わざわざ離れ離れにならなくたって、いいよね。
ね、敦賀さん。
繋がれた彼の大きな手にキスをした。
それから、もう一度敦賀さんの隣にもぐりこむ。
無意識なのか、身体を寄せた私をそっと抱き寄せて。
そのまま目を閉じた。
外はいいお天気。
2006/01/02
OUT