年始 / 03:今年の抱負は君と──

From -OHTERS

新しい年を迎えた夜。
年が変わってから、まだ数時間しか経っていない。
静かな夜の中で響くのは…2人のため息と密やかな声。
隙間なく繋げた身体同士が紡ぐ濡れた音。

「ん…あ…あぁ…っ、あん…あ、つ、つるがさ…っ…」

快感に耐えながら少しずつその淵に堕ちていく声が
途切れ途切れに俺の名前を呼ぶ。
それを聞きたくて、もっと我を忘れさせたくて
腰を突き入れる動きを少しずつ早めていく。
強く奥を穿ち、そして腰を引いてはぐるりとかき混ぜて、
波打つようにしなる身体を誘い込みながら焦らす。
焦らして…誘って…
うねる快感の渦に2人の熱を溶け込ませるように。

そういえば…年始の番組収録の時や雑誌のインタビューやなんかで
今年の抱負、っていうのを聞かれたっけ…

まあ、月並みだけど…仕事を頑張る、という無難な答えにしておいた。
それはいつもで当然のことだし、新しい年になるからといって変わるものではない。
こうして俳優という仕事をやっていられるのもありがたいことで、
やればやるほど仕事に対する欲求みたいなものも沸いてくるし
挑戦してみたいことは山ほどあるんだ。

「あんっ…あ、あぁあ…っ…ん…ぅ…」

下だけが繋がっているのに物足りなくなり、
熱く吐息を零す唇を自分のそれで塞いだ。
重ねてすぐにねだるように滑り込んで俺を誘う舌を絡め取り
どこまでも深く繋がれるように、身体の距離を詰める。

だけど、やっぱり今年の抱負は…君ともっと一緒にいること、かな。
仕事柄、離れていることのほうがもしかしたらかもしれない長い俺と君だけれど、
こうやって2人共にいる時の密度の濃さでは誰でも負けないつもり。
それでも、距離に隔てられていることを寂しく思うことはたくさん、ある。
その距離を埋めて想いを育てていくためにも、
今年はもっと君と過ごす時間を増やしたい。
我がままかもしれないけれどその分、それに伴う努力なら、なんだってするさ…。

「んっっ…あぁ…は…ぁっ…あんっ…あ、も…ぅっ…」

濡れた瞳をぎゅっと閉じたその身体、くねらせる動きに痙攣が加わる。
脚をぐっと持ち上げて身体に沿わせるように押し付けて
彼女の中へ突き入れる動きをぐっと強くした。
自分の興奮と快感も限界が近い。
歪む視界の中に、恥ずかしそうに快楽へと身をうねらせている恋人の姿が映り
それが俺をとどまることの知らない高みへと押し上げる。

いてくれるだけでいい。と、本当にそう思う。
だけど俺にその権利があるのなら、それを願ってもいいのなら、
もっと…もっと今以上に君と繋がっていたい。
繋がるといってもいろいろあって、例えば心とか、想いとか
お揃いのものとか、そんなものでもいいし、
手を繋ぐでも、唇でも…ただ抱きしめ合っているだけでもいいけれど…

「んっ、あぁ、あ…っ、あ、あ、あぁ、んや…っ…はあぁああん…っ!」

身体が繋がっていれば、君の温度をどこよりも近くに感じられる。
1ミリも離れないでそばにいられるから… こうして「繋がってる」のも、いいかな…うん…



2006/12/31 OUT
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